30年経っても色あせない家を建てる
大工の祖父の言葉を胸に、技術を磨き続けます
名前:坂口 賢
担当:大工
出身:みやま市
好きな色:白
好きな飲物:ブラックコーヒー
資格:美容師免許
これまでにやってきた仕事:美容業、青果業
趣味:料理
仕事内容は?
大工の仕事は、一般に例えると「DIY」の延長線上にある、磨かれた技術によって行う仕事っていう感じです。「DIY」との違いがもう一つ。大工の仕事は一人ではできないことです。
知識と技術は必要。でも、その面でどれだけ優れていても一人では家は建てられないんですよね。棟上げの時は、そのことを特に実感します。棟上げとは、家の土台となる部分(骨組み)を一日で一気に建ててしまう作業なのですが、組み上げる大工の力はもちろん、材料をセットする人、クレーンを使う人、何人もの職人が力を合わせて作り上げていきます。
つまり、大工の仕事は、個々人の知識・技術というより、チームワークで家を建てていくということなんです。良い家を建てるためには、良いチームワークが必要、そこが大工業の魅力の一つですね。
どん底を救ってくれた祖父の言葉、祖父の背中を追いかけて大工に
以前は、美容師として8年の経験を積みました。「美容師ってカッコいいよなぁ」という憧れではじめた美容師。通信の学校に通いながら、見習いとして続けてある程度の経験も積んできたのですが、どこか“芯”からやりたい仕事ではなかったのだと思います。精神的に疲れが出てきてしまって、辞めることにしました。
そんなどん底の状態の私を救ってくれたのは、大工をやっていた祖父でした。
仕事を丁度辞めたくらいに、祖父と話すことがあって、祖父から「後悔せんように生きろ」という言葉をもらったんです。その言葉を自問自答していくうちに、祖父の大工として働く姿が鮮明に見えてきて。
祖父の存在を追うように大工の道に進みました。祖父という目標ができ、自分の進みたい道がハッキリ見えたその言葉は自分にとってとても大きい言葉ですし、祖父がいなかったらこの業界でイキイキ働くこともなかったなと思っています。
現場で怒られるのは、誰のためか
大工になってまず大変なのは、ノウハウ、技術など覚えることにキリがないことです。
1年目だろうが、十数年のベテランであろうが、現場に出たら同じプロ。
技術が劣れば、その場で怒られる。そういう業界なので、とにかく必死です。
でも、あたり前ですよね。私たちはお客様から信用されて、仕事を任されている。お客様の一生のうちの数少ない、もしかしたら一度きりの家づくりという機会をもらっているんです。
以前、断熱材の工事を初めて1人任されたことがありました。2日かけて1人でやりきりましたが、結果、全てやり直しでした。
「これじゃぁ、断熱材を入れている意味がない」「これなら入れてなくても同じだよ」
ヒドイ言い方ですよね(笑)でも、実際そうだったんです。
自分としては気づかなかったのですが、言われてやり直してみると、確かに自分のやった部分というのは、気密性に欠けていることがわかりました。
ただ、少しと言えば少しのことでもあったので、人によっては、そこまで言わなくても、しなくても…という方もいたかもしれません。
しかし、現場はお客様からの信用で成り立っている。その時初めて、大工が「妥協しない」という言葉の意味を心得ました。この経験があったからこそ、今は見えないところまでもお客様のことを考えて、妥協せず一つ一つ丁寧にやるように心がけています。
フルハウスのこだわりを知る
フルハウスにお世話になっているのは、2022年から。
北川社長との縁をきっかけに入社したのですが、入社して思うのは、とにかく家づくりに熱いメンバーばかりだということ。みんなが一つの目標に向かっている姿を見て、本当の「チームワーク」を学んだ気がします。
家づくりへのこだわりを感じたシーンとして、材料へのこだわりがあります。北川社長をはじめ、皆さんで議論している。壁は木材にするのか、タイルにするのか。さらには、選んだ材料をどのように使ったら美しく、丈夫に仕上がるのか? 現場はいつもそんな熱い話に包まれています。細分までこだわり尽くして、お客様により良いものを提供しようという熱意に驚き、自分もそこについていかなければ! という気持ちになっています。
これは社内で右に出るものはいない! 趣味・特技
お酒は多分誰にも負けないと思います。強くはないけど好きだから。でも、特技となると料理ですかね。もともとバイト経験もあってのおかげで、基本的にはなんでも作ります。得意は肉じゃが。そう思うと自分はものを作ること自体が好きなんだろうなって思います。だから、大工の仕事も好きなんでしょうね。
これからの目標
もっともっと技術面に磨きをかけていきたいです。その技術で、お客様にも、フルハウスにも貢献して、最終的には祖父のような大工になることが目標です。
祖父の家は、当時は珍しかった基礎にこだわりをもった家でした。
祖父の建てた家に私も住んでいたのですが、その家は30年くらい経った今でも、床鳴りせず、変わらない姿でいられているんです。新しい作り方に挑戦する発想や行動力もすごいし、技術もそうですが、それが結果に結びついていることが何より凄い。いずれは私も、祖父の建てる家のような、褪せない家を自分の手で建てたいと思っています。
坂口さんってこんな人 スタッフからのコメント
仕事が一つひとつが丁寧。人付き合い、コミュニケーションが取れて、 話しかけやすい大工さんです(坂口)